No.1からずいぶんと間が空いてしまいました。
しかし、この一ヶ月サボっていたわけではなく、静音・低消費サーバーの実現に向けて着々と準備を進めて
きたわけであります。(ちょっと、いいわけっぽいですね。 (^_^;) )
さて本題。いうまでもありませんが静音サーバーと低消費は切っても切れない関係にあります。
消費電力が低ければ温度上昇も押さえられてファンの回転数を落とすこともできるわけで、
CPUを選ぶに当たっても電力にこだわってみました。
元々私は低消費電力とかコンパクトというものがとっても好きで、同じ機能なら小さいほう、
少々性能が落ちても電力が少ない方を選んでしまいます。
ただ、最近のCPUは高クロック化に伴い、消費電力がめきめきと上昇してAthlonやPentium4の1GHzクラスになると
60Wなんて話も聞いたりもします。60Wと言えばちょっとした白熱電球1個分!まかり間違うとCPUが焼き鳥になる
というのもうなずけます。
思えば初代のPentium/66MHzが出てきた頃は消費電力が9Wもあるからノートパソコンに使えないよ、なんて話しがあったのに
気が付けば60W!!自宅サーバーの消費電力対効果という面ではそこまでの電力とCPUパワーはどう考えても
もったいない気がします。そんなことをしてはでんこちゃんに怒られてしまいます。
※ あ、ここで補足しておきますが、AthlonやPentium4を使っちゃいけない、と言っているわけではないです。
当然、CPUパワーを要求するアプリには電力に目をつぶっても高速なCPUが必要でしょうし、電力よりCPUパワー命
という方もいらっしゃると思います。低消費CPUを使いたいというのはあくまで24時間稼動の個人向けサーバー用としての
私の好みです。 (^_^)v
1)CPUの電力ってどれくらい?
とかなんとかCPUの電力について考えているうちに、
「はて?はたしてファンレスが可能なCPUの電力って何Wくらいなんだろう?
たしか486/66MHzやPentiumの133MHzくらいまではCPUにファンは付いてなかったよね。
それにAthlonやPentium4の電力は本当に60Wなんだろーか?」
という疑問がふつふつとわいてきて、Web上を調べまわってみました。
メインページ | 電力が出ているページ | コメント |
Cilaos web | 主要なCPUの消費電力 ( 2003,10/6リンク先更新) |
PentiumからPentium4/2.8GHzまでCPUの種類は豊富です。 VIA C3の6Wはいいですねぇ。 計算機の静音化技術もすばらしいです。 さらにいうとメインページからだどれる理工系英和辞書:eleもすごい! |
山崎憲一さんの PCを静かにする幾つかの方法 |
CPUの消費電力 | K6-2からAthron/1GHzまで。 下にはHDDやチップセットの電力まで一部載ってます。 |
PC無音化計画 | CPUの無音化対策 | 486DXからPentium4まで代表的なCPUの消費電力が載ってます。 Crusoeの1.5〜5.5Wは魅力的ですねぇ。 下のほうにある「発熱量は電圧の3乗に比例」は含蓄深い言葉です。 メモメモ (^_^) |
DOS/V情報局「やまめ」の ホームページ |
消費電力の算出方法 | CPUの電力はPentiumII,IIIとCeleronだけですが、電力の計算方法等 結構詳しく書いてありためになります。 |
XWIN II Web Page | TOPICS Back number | 下の”巻頭言 326”と一番下にCPUの電力比較が出ています。 他にも私的Intel CPU概説は「あのCPUってどんなんだったっけ?」 というときに便利なページです。 |
CPUの電力というのもコアの種類やいろんなモードがありますし、同じ周波数の同じCPUでも
デザインルールを細くしてシュリンクすると電力は下がるので一概に比較できないというのは
重々承知しているのですが、無理を承知でざっくり比較してみました。 (^_^;)
(なので下の表については細かい突っ込み入れないで下さいね。)
CPU | 周波数 | 電力 | 電力/MHz |
486DX | 50MHz | 5W | 100mW/MHz |
Pentium | 100MHz | 10.7W | 107mW/MHz |
Pentium | 133MHz | 4.4W | 33mW/MHz |
MMX Pentium | 233MHz | 17W | 73mW/MHz |
PentiumIII | 700MHz | 18.3W | 26mW/MHz |
Mobile PentiumIII | 700MHz | 23W | 33mW/MHz |
Celerom | 700MHz | 18.3W | 26mW/MHz |
Mobile Celeron | 600MHz | 20W | 33mW/MHz |
Athlon | 1.GHz | 60.7W | 61mW/MHz |
Mobile Athlon | 1.2GHz | 25W | 21mW/MHz |
Duron | 1GHz | 41.3W | 41mW/MHz |
Mobile Duron | 900MHz | 24W | 27mW/MHz |
Pentium4 | 2GHz | 75.3W | 38mW/MHz |
VIA C3 | 700MHz | 5.81W | 8mW/MHz |
Crusoe | 700MHz | 1.5-5.5W | 2-8mW/MHz |
Pentium/100MHzとPentium/133MHzで逆転現象が出ていたりしますがおおまかこんなイメージでしょう。
最先端のAthlonでは本当に60Wを超えています。Pentium4/2GHzはなんと75W!!(驚いた!)
ノートPCに使われているモバイルCeleronやMobile
PentiumIIIでも20W!
どうりで最近のノートPCはファンの音がうるさいわけです。
ここ数年のCPUを周波数あたりの電力で比較するとAthlonの60mW/MHz以外はおよそ20-40mW/MHzくらいです。
このなかでC3とCrusoeの10mW/MHz切りというのは目立っています。
最近、VIAもCrusoeもネット家電をターゲットにしているというのもうなずけるものがあります。
2)CPUはVIA C3にけってー!
昔、ファンレスが多かったPentiumの頃で5−10W前後。ファンレスPCを実現しようとすると
CPU単体で10W以下を目指したほうがよさそうです。
現在、現役のCPUで無理なく10W切りができそうなものとなるとVIA C3かCrusoe。
Crusoe搭載のマザーボードはかなり特殊なので現実的には消去法でVIA C3ということになります。 *1
C3はクロック当たりの処理能力はAthlonやPentiumIII/4に劣るようですが、それでも今使っている
Pentium100or133MHzと比較したらはるかに高速でしょう。 (^_^;)
*1 ここ、地球にやさしいPCのようにAthlonをクロックダウン+コア電圧ダウンしてファンレスAthlonを
実現しているツワモノもいらっしゃいますが、私にはそこまで極める根性がありませんでした。 (^_^;)
ちなみにこちらでは電力料金の計算方法等も載っていてとてもためになります。
しかし、、、VIA C3と言えば、一昔前のCyrix。
Cyrixと言えばマザーとの相性がなかなかあわなかったりしてあまりいい思い出がありません。
はたしてVIA C3でサーバーが安定稼動するのでしょうか??(どよよ〜ん)
不安になって色々調べてみたところCZ-600Cさんが運営するCZ-600C Homepageの中にVIA Processorsという
VIA/Cyrix専用のサイトを発見しました。
このサイト、VIA/Cyrixに関する情報がてんこ盛りでとても役に立ちます。
なるほど、VIA C3はCyrixの流れではなくてIDTのWinChip4がベースになっていたんですね。
Cyrixといえば消費電力が大きかったのにC3で急に低消費を売りにしだしたというのも納得できます。
さらにVIA C3を使った製品としてMicro Box 810MUON(VIA Cyrix III/550MHzを使ったファンレスベアボーン。
すでに販売終了)やXeonさんご紹介のネットプラッツの1Uサーバー(VIA C3/800MHz搭載。マウントラックPCサーバー。
かなり魅力的 (^_^) )さらにワンボードPC EBC563(VIA C3/533MHzでファンレス、業務用)も発見。
一応、ファンレスPC、業務用PCとしても実績はあるようです。
と、いうことで不安を抱えながらもCPUはVIA C3にすることにしました。
※ 色々VIA C3に決めた理由を並べましたが、やっぱ一番の理由はダントツの低消費に魅せられたって
事だと思います。 (^_^;)
※ 余談ですが、Coolgreen V3/P866(PentiumIII/866MHzを使ったファンレスPC。すでに販売終了)や
やCS56シリーズ(Crusoe/600MHz搭載小型サーバー。カタログはこちら)も製品として魅力的でした。
3)VIA C3/700MHzを購入!
VIA C3の購入を決心した2001年の12月。私用で秋葉原に寄ったついでにVIA C3の相場を探りに
パソコンショップ巡りをしました。
しかし、、、「ない!、ない!」VIA C3がどこにも売っていないではないですか!
確かにマイナーなCPU( (T_T) )ではありますがこんなにも忽然と店から消えてなくなるものなのか・・・・
手に入らないとなると欲しくなるのが人情というもの。ショックを受けて家に帰ってPCの前に座り、
「中古でもいいから!」と願うような気持ちでYahooオークションを物色してみました。
・・・するとありましたVIA C3/700MHzが!しかもあと2時間で終了ではないですか。
うーん、ここで買うべきか買わないべきか、3000円(+送料)というのは高いのか安いのか?
と迷っているうちに勢いで買ってしまいました。落札価格は3300円なり。 (^_^)
(ここいらの事は12/2のひまひま日記にも書いてます。)
うーん、これでよかったのかどうなのか? (^_^;)
しかし買ってしまったものは仕方がない。ここで勢いをつけて静音・低消費サーバーを立ち上げましょーー!
※ 後日談ですが、その後2001年の年末に俺コンハウスでVIA C3を発見!733MHzで2980円でした。
Yahooオークションでの送料もろもろを考えたら1000円くらい損をした勘定になります。ちょっと残念。
(-_-)
- ここまでの出費 -
VIA C3 | 4300円(送料こみ) |